初日 of エンバーミング及び再構築施術(修復)会議 2018年8月

去年、この会議の主宰者でもある再構築施術専門学校でハンズオンという献体されたご遺体でのクラスを受けました。目の前にいらっしゃるご遺体のためにも精一杯学んで帰ろうという意気込みが強すぎて、見えていない部分もあったかのように感じますが、今回は校長であるバーニーに、友人作りもしていくのだよ、と言われ少しリラックスして受けられました。

協賛会社でもあるエンバーミング薬品会社、エンバーミング備品・用具・器具会社、修理会社、等がいて株式会社くぼたの取引先であるESCO社も出展していました。いつも薬剤の疑問や使用に関しての質問をしていたESCO社のセールスマネージャー、ダナさんがいて、サプライズの出会いにお互いに大笑いでした。

2日目に開催されたオークションのために多くの参加者や協賛会社が様々なモノを寄付し、スカラシップに使われるという催しがありました。そこでダナさんはエンバーミング薬品のヘキシ(Hexyethylphenoform)1箱を寄付していました!実は、未だヘキシの奥底に眠る力を理解できず、使い切れていない感のある私はダナさんとお話しができて良かったです。

ヘキシの効力については、また今度にとっておきましょう。

初日は夕方より、会議の概要やその他諸々があり、私としては去年ぶりに会う友人たちとの再会にとても興奮していました。やはり目指すものが同じ同士というのはとても刺激的であり勉強にもなります。去年のセミナーは14名のクラスでそのうちの3人と会うことが出来ました。その3人のうちのひとりがゲストスピーカーとして登壇するのでとても楽しみにしていました。そのお話しは次回のブログに載せますね。

 エンバーミングのご相談は、株式会社くぼた まで

 

Licensed Funeral Director and Embalmer  Rei Kubota, L.F.D.

エンバーミング及び再構築施術(修復)会議 2018年8月

米国で2年に一回、プロフェッショナルなエンバーマーのための修復(再構築施術)会議が行われます。会議と言っても、再構築施術専門学校が主催し、経験のある様々な国のエンバーマーがゲストスピーカーとして経験や技術を紹介する場となります。2年に1回行われる会で、私が参加した今回の会には30年も40年も経験のあるエンバーマーが半数以上をしめ、お友達となることもできました。

そもそも、このエンバーミングの再構築施術専門学校の校長であるバーニーは、葬儀の際の「最後の対面」が大変重要だと考えています。もちろん、葬儀のタイプは様々あれど亡くなった方とその家族や親戚、近しい友人との顔を合わせてのお別れを必ずもつようにすることが大事だという考えです。

もちろん、葬儀において何が正しくて何が悪いということはないのですが、対面をしたくても出来ない方のための再構築施術で、時間もかかれば費用もかかります。ですので、多くの場合突然亡くなったケースが多く、そういう方の死因は事故や事件などである場合が多いのです。

今回ご紹介いただいたケースの多くが、車やオートバイの事故、銃での事故や自殺、見つかりにくい自殺により遺体の腐敗、変死による解剖、により対面するのが難しいように思われる状態になっています。例えば、小さい傷であっても、場所的に血管を傷つけていれば大量出血で顔中が血だらけで洗えばきれいになってしまう場合もあれば、眼や鼻、口の位置がわからなくなってしまっているような方まで含まれています。

再構築施術を用いれば、全ての方が生きていた頃に戻るかと言えばそうではありません。ケースによれば人形のようになってしまっている方も残念ながらいらっしゃいました。でも、それでもご家族はお別れできた、ありがとう、喜ばれるそうです。

生きていた頃の、元気だった頃、若かった頃、希望を言えばたくさんありますが、大事なことは自分の大事な人がいると安らかなようだと認識できて、その人の死を家族はつらいけれど、悲しいけれど認識をするということだと考えます。

その会議の半数以上がエキスパートと言える方々のようでした。エンバーマーは、いつまでも完璧や100%はなく探求心の塊でなくてはいけませんね。

このブログではこの数日勉強したことやその他諸々ご紹介を続けていきます。

 

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Licensed Funeral Director and Embalmer  Rei Kubota, L.F.D

体内クリーニング

前にもブログに書きましたが、エンバーミング薬品にはいくつかの種類があって、防腐、保湿、バランス、排血促進、体腔内用、補助を遺体の状態や火葬日までの日数を考慮して、注入する薬剤を決めていきます。その中で排血を促進する薬品を、プレ/コウ インジェクション薬品と呼びます。プレとは前、コウとは同時という意味で主となるホルムアルデヒドを含めたエンバーミング薬品を注入する前、または同時に使用するのでそのように言われています。ESCO社のエピックドレイネイジ(排血促進薬品)が、こちらの予想を超えた人気商品であり、私も自信をもって技術者たちにお勧めしています。エンバーミングで排血は大きなポイントであり、腐敗しやすい血液を体外に排出するのは大事なことでもあるからです。そして、ESCO社では、限られた時間でも、できる限りエピックドレイネイジ等の補助薬品を活用して体内クリーニング=プレインジェクションをすることを推奨しています。これからはケースによっての体内クリーニングをお話ししていきたいと思います。

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Licensed Embalmer 久保田 玲

エンバーミング 動脈用薬品

私のお気に入りのESCO社のエピックアーテリアルとリーフ、排血用の薬品を混ぜたものは、他のどの薬品会社のものより自然で、しっとりした肌の質感、浸透力の良さを感じます。肌の色は、人種によっても違いがありますが、同じ人種の方でも肌の色はやはり違います。色白の方でも黄みがかっているのか、青白いのか、ありますね。また、エンバーミング直後と数時間後、1日後では発色も変わってきます。ESCO社の動脈用薬剤の発色は外人にも日本人にも自然な血色が表れるので、少ないお化粧で済むのが気に入っています。また、他の薬品会社のものは翌日灰色がかってしまったり、表れていた赤みが消えてしまったりします。この上記の組み合わせは、翌日に落ち着いてさらにきれいな薄い桜色になりますので、安心感があります。だからといって、男性が色白の桜色の肌になるかというと、そうではありません。元々の肌の色に合いますし、肌の透明感を引き出すので、どこの薬品より自然で品よくなり、早くご家族にお会いしてほしい気持ちになります。

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Licensed Embalmer 久保田 玲

エンバーミング 唇の腫れ

前にエンバーミングした方で、車の事故にあった方がいました。対面する前に私には事故、頭の損傷という情報だけ入ってきましたので私の願うことは、出来る限りお顔の傷が少ない事でした。対面すると、顔の傷は小さい擦り傷がいくつかと下顎が割れていましたが、表面的にはわかりづらいものでした。エンバーミングは問題なくすすみましたが、お顔の発色はやや赤みが強く出る部分があり、唇は接触があったためかお写真で見る唇の3倍近く腫れてしまいました。目や唇の腫れは、事故の方など薬品注入ではよくあるのですが、注入前にお顔を整えるためにあまり目や唇に触る事でも腫れてしまうことがあります。ですので、事故で腫れの予想がある方にはお口の整えを最小限にして注入後に合わせたりします。

この方は、エンバーミング後に腫れた唇をクリームをつけた指で少し強めに圧をかけました。おそらくご生前の唇より少しふっくらしていましたが、やはり自然が一番なのでそれより余計なことはしませんでした。少し痩せ気味だった彼も少しふっくらして、無事ご家族のもとへお帰りになりました。

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Licensed Embalmer  久保田 玲